ベビーフェイスと甘い嘘
毎月、毎日決まったことを繰り返して……結果が出なかったらがっかりして……
自分で決めた結果が出ないかもしれないルールに、365日私は縛られている。
あっさり無理と言われて、我慢すればいいだけだと言われて……私がどれだけ虚しい気持ちになるかなんて、あなたは考えもしないでしょう?
それでもこうして私の方から『お願いします』と言わなければ、あなたは私に触れてもくれない……
黙ってしまった私に、話しは済んだとばかりに修吾は「メシは外で食ってきたから。もう寝る」とだけ言うと、すぐに後ろを向いてリビングを出て行こうとした。
夕飯だって用意しているのに、最近は遅くなっても連絡一つよこさない。
リビングのドアに向かって歩きかけた足をぴたりと止めて、修吾は急に振り返ると、
「あ、そうだ。来週の土曜日、灯と悠太も一緒に行くからな」
と言った。さらりと、当然の流れのように。
「えっ……」
私はそれ以上言葉を返すことができなかった。
「悠太が水族館行きたがってるんだってさ。灯は免許持ってないし、どうせ水族館行く予定だったし、連れて行ってもいいだろう?」
すらすらと連れていく理由を口にする修吾。もう彼の中では決定事項なのだろう。
……まるで最初から決められていたように。
言いたいことだけさっさと言うと、修吾はリビングから消えた。