ベビーフェイスと甘い嘘
「……かねちゃん、茜ちゃん」
次に目を覚ました時、目の前にいたのは芽依だった。
「め……い?」
何度も言うけど……ここ、九嶋くんの部屋で合ってるよね?
「どして……いるの?」
何で九嶋くんの家まで知ってるの?……そもそも、どうして九嶋くんと連絡を取り合ってるの?
「茜ちゃん、今13時。迎えに来たよ。調子は?起きれそう?汗かいてない?」
どうやら質問に答える気は無さそうだった。
「くしまくん……は?」
話しながら、さっきよりはだいぶ声が出しやすくなったと感じていた。汗をかいたから、熱もだいぶ下がったのかもしれない。
あれ?でもさっきのは夢だから……声が出しにくかったのも気のせいだったのかな。
「ねーさん、大丈夫?」
寝室のドアが空いて、九嶋くんが入って来た。手にはビニール袋に入ったタオルが見える。
「さ、茜ちゃん着替えるよ。脱いで」
タオルを受け取りながら芽依は私の長Tの裾に手をかけた。
「ちょ、ちょ、ちょっと、待って」
まだ九嶋くんもいるのに。