ベビーフェイスと甘い嘘

私達はグレーなカンケイです


ギシ……ギシとベッドが軋む。

はぁ、はっ、という息づかいを耳にしながら私は切ない吐息を吐き出した。


いつもの手順と決まりきった愛撫。


最初から最後まで『どうするか』『どうなるか』もう手に取るように分かるのに、それでも時間を費やすのは家族の為だと自分を納得させる。


修吾だって同じ気持ちのはずだ。


時を重ねていくうちに愛を確かめ合うはずの行為は義務になり、ただの予定となってカレンダーに組み込まれた。


こんな風になってしまったのはいつからだったっけ。


ねぇ、と話しかけようとしても隣にはもう修吾の姿は無い。その度に私はどうしようもなく虚しい気持ちに襲われる。



そして、私はいつも心の中で涙を流す。


涙の中で意識が溺れていくような……そんな感覚に囚われるのだ。
< 33 / 620 >

この作品をシェア

pagetop