ベビーフェイスと甘い嘘
私達はグレーなカンケイです
ギシ……ギシとベッドが軋む。
はぁ、はっ、という息づかいを耳にしながら私は切ない吐息を吐き出した。
いつもの手順と決まりきった愛撫。
最初から最後まで『どうするか』『どうなるか』もう手に取るように分かるのに、それでも時間を費やすのは家族の為だと自分を納得させる。
修吾だって同じ気持ちのはずだ。
時を重ねていくうちに愛を確かめ合うはずの行為は義務になり、ただの予定となってカレンダーに組み込まれた。
こんな風になってしまったのはいつからだったっけ。
ねぇ、と話しかけようとしても隣にはもう修吾の姿は無い。その度に私はどうしようもなく虚しい気持ちに襲われる。
そして、私はいつも心の中で涙を流す。
涙の中で意識が溺れていくような……そんな感覚に囚われるのだ。