ベビーフェイスと甘い嘘

***

『とりあえず、お話しましょうね』

ナオキからそんなLINEが届いたのは、オトモダチになってから2日後のことだった。


聞きたいことは山ほどあった。

あなたは何者?

何で私の名前を知っていたの?

そして……私をどうしたいの?


私達の関係はあの日の夜で終わったはずだ。


なのにこうして目の前まで現れて、わざわざ繋がりを持とうとする意味が分からなかった。


質問ばかりを送信しても、きっとナオキははぐらかすだろう。


だから『場所と時間は私が指定してもいいの?』とだけ送った。


すぐにスマホが『ピンポーン』と音を立てる。


彼の雰囲気に合わない、羽の付いたウサギが『OK』と陽気に親指を立てているスタンプだけが返って来た。


どうやら山ほどある疑問は、彼に会ってひとつひとつ確かめていかないといけないようだった。
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