ベビーフェイスと甘い嘘
……だけど。
たとえリビングやキッチン、至る所に灯さんや悠太くんの痕跡が見えていても。
私が月に一度しか入る事を許されなった修吾の寝室に、あなたが何度も入っていたとしても。
ここは、まだ私の家でもあるんだから。
「翔くんは?誰かに頼んだの?」
「ええ。妹の家に。悠太くんは?」
「今日は元々児童館に行く予定だったの。……何で、わざわざ子どもまで預けて話し合う必要があるの?」
「子どもに聞かせられる話だったら、居てもらっても良かったんだけど……もちろん、悠太くんにもね」
「なっーー。あなただって聞かれたら困るくせに偉そうに!だいたい、何で他人までこの家に上げてるのよ!二人で話し合いましょうって言ったくせに、男を誘うなんておかしいんじゃないの?!」