ベビーフェイスと甘い嘘
灯さんが離婚した年明け前後から、修吾は大きな仕事が入ったと言って残業したり、休日に出勤する事も増えていった。
夜遅く帰って来て、辛そうな顔で会社へ行く修吾を心配した時もあったけど……
『家庭』が二つあったんだから、行き来していれば疲れるのは当たり前ね。
そこまで考えて納得して、フッと乾いた笑いを溢すと、奈緒美ちゃんは「……知ってたんですか」と驚いた表情を見せた。
「うん。知ってた。……あっ、そこを左に曲がる手前が駐車場になってるから、入ってもらっていいかな?送ってくれてどうもありがとう」
マンションの駐車場に車を停めて、何か言いたげにこっちを見ている奈緒美ちゃんより先に、お礼の言葉を口にした。
「私、コンビニのオーナーのマンションに住まわせてもらってるって前に話したでしょ?ここに今は翔と二人で住んでるの。住まなくちゃいけなくなった理由が、修吾……夫との離婚話が拗れてしまったから」
「あんまり誉められた理由じゃないから言いにくくて。でも、あの状況だけ見たら疑いたくなったのも無理無いと思う。……だからって、いきなり叩いていい理由にはならないけどね」
夜遅く帰って来て、辛そうな顔で会社へ行く修吾を心配した時もあったけど……
『家庭』が二つあったんだから、行き来していれば疲れるのは当たり前ね。
そこまで考えて納得して、フッと乾いた笑いを溢すと、奈緒美ちゃんは「……知ってたんですか」と驚いた表情を見せた。
「うん。知ってた。……あっ、そこを左に曲がる手前が駐車場になってるから、入ってもらっていいかな?送ってくれてどうもありがとう」
マンションの駐車場に車を停めて、何か言いたげにこっちを見ている奈緒美ちゃんより先に、お礼の言葉を口にした。
「私、コンビニのオーナーのマンションに住まわせてもらってるって前に話したでしょ?ここに今は翔と二人で住んでるの。住まなくちゃいけなくなった理由が、修吾……夫との離婚話が拗れてしまったから」
「あんまり誉められた理由じゃないから言いにくくて。でも、あの状況だけ見たら疑いたくなったのも無理無いと思う。……だからって、いきなり叩いていい理由にはならないけどね」