人をコロスヒト
私の放った一閃が美少年の喉元をかっ切ると思った刹那、

彼の手がゆるやかに動き二つの銀が交錯する。

驚きのあまり弾かれたように距離をとった。

あの~、もしかして正義の味方さん?

ンなアホな。

おじさんを殺すのを悠長に見届けておきながらそんなわけはないか。

予想通りというか、徹底して無表情だった美少年はここにきてほんのわずか顔をしかめた。

…しかめた顔も美少年だよ、この人。
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