一生続く恋をしよう。
私は冷蔵庫の中を確認して、


調理器具もひととおり拝見する。


どうやらマネージャーは自炊しているようだ。


うーん。でも、今からごはん炊いたんじゃ時間かかっちゃうな……



「黒木マネージャー!パスタでもいいですかぁ!?」



「そんな大声じゃなくても聞こえるっつーの。いいよ。何でも。お前が作ってくれるんなら。」


そこに現れたのは完全にリラックスしたマネージャー


スウェットを着てもかっこいいなんて卑怯だよ。


それに。



マネージャーはちょいちょい勘違いさせるような事を言う。


そして私はそう言われる度に


心がモヤモヤする。



『ときめき』と『ブレーキ』が


心の中をかき混ぜる。


学生の時にはなかった『ブレーキ』


ただ、好きになる事に正直だった。


怖いのはフラレる事だけで、想いがつのればそれさえ、越えられる。



でも大人に。社会人になってしまった。


ただ、好きだけじゃ解決出来ない時もある。


それは、仕事がらみの時。


恋の始まりを予感すると、『ブレーキ』をかけようとしてしまう。


だって。


意識してしまったら、仕事にならなくなる。


フラれても生活かかってるし、仕事は辞められない。


キマヅイまま仕事を続けていかなきゃいけない。


なかなか、リスクがある。


黒木マネージャーは、うちの会社の大事な取引先の上司で。


ひょっとしたら、私の直の上司の三木店長が‥‥‥‥かもしれなくて。


いろいろごちゃごちゃ考えると、


めんどくさがり、ヘタレな私は全力で『ブレーキ』をかける。



そして、


モヤモヤが完成するわけだ。


『トキメキ』 と 『ブレーキ』 が



天秤のように、ゆらゆらと揺れている。












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