一生続く恋をしよう。
「わかりました。」

そう言うと私は事務所へと向かう。

「失礼します。黒木マネージャーはみえますか?」


ドキドキする。


だって、社食でもない場所で仕事中に話す事なんてほとんどないし。


比呂人は、女子社員に指示をだしているところだった。


比呂人は、私に気づくと仕事用の笑顔で声をかける。

「牧田さん?どうかした?」


久しぶりに近くで見るスーツの比呂人。


私の知っている比呂人とは違う、

黒木マネージャーの顔。


なんかドキドキして、言葉が上手く出てこない。

顔が赤くなってる気がして思わず下を向く。


「あ、の、えっと……」


「あー悪いけど牧田さん、歩きながら聞いてもいい?」


そう言うと比呂人は、事務所を出て廊下を歩きだす。


比呂人が角を曲がると、ぐぃっと手を引かれる。



「………ここなら防犯カメラに映らないから。お前なんて顔してんだよ。」


そう言って突然キスされた。

仕事中って忘れちゃうくらいの激しいキス。

誰かに見られたら。

そう思うと、いけない事をしてる。という自覚が、さらに私を酔わす。


「比呂人、人来るよ?」



「ん。あと少し。」



そう言ってまだキスを続けようとする比呂人。


「ってダメー!!」


そう言って比呂人を突き放す。


「いってぇー。ムードのないやつ。」



そう言って比呂人は、すねる。


「で?何ですか?牧田さん。」


そう言ってイジワルに笑いながら私の髪を耳にかける。

そして、フゥっと私の耳に息をかける。


「だからそのっ!!今度!うちの店で予算達成の打ち上げやるんです。営業さんが黒木マネージャーもぜひって。」



「あぁ。今月調子いいもんな。わかった空けとく。」


そう言って、何事もなかったように去っていく比呂人。


なんか、私ばっかりドキドキしてズルい!


颯爽と歩く比呂人の後ろ姿に、


ベェーっと舌を出した。

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