したくてするのは恋じゃない
紳士?狼?
諭すようなマスターの言葉のお陰で、少し楽になれた気がした。
元通りとは違うが、あまり意識し過ぎず、自然に任せてみようと思う。
成り行き、と言うのかな…。
「絵里子ちゃ〜ん、今日お邪魔しちゃ駄目かな?」
勇士さんは宣言通り?たまにグイグイ来る。
だからわざと、何かご用ですか?とつっけんどんに返す。
ご用があるからに決まってるじゃないですか、とくる。
「どんな?」
「んー、試食?」
「何か新作メニューの開発ですか?」
「んー。昔からあるけど…まだ味わって無いモノ?」
「…へえー」
「もう、絵里子ちゃん。
絵里子ちゃんを食べに」
はぁ…、これだ。全く、この人は…。
素面の時ほどエロくなるのかしら…、不思議な人。
じゃあ、と、言葉を返す。
「そんな事言われて、はい、どうぞ、なんて言わないですよ」
「じゃあじゃあ、言わなかったらいいんですね?」
……。
「もう…、勝手にしてください」
「は〜い。許可が出たので、勝手にします」
「許可とは違います」
「いいえ、前言撤回出来ませんよ?」