したくてするのは恋じゃない
遅くまで開いているスーパーに走った。
鍋に入れられそうな食材を片っ端からカゴに入れた。
かなり重くなった。
肩に食い込むエコバッグと反対に、ずり落ちそうになるバッグの肩紐を何度も上げながら急ぐ。
あ、コンビニ。
ちょっと怖かったけど先客も沢山居たので入った。
剣吾の下着。どんなモノを履いてるのか知らないけど、替えは無いよりあった方がいいに決まってる。
ボクサーでいいか。何だかんだ言っても個人的希望がそうさせる。…希望?…好みか。…。
Tシャツに、剃刀もいるよね、それに歯ブラシと。靴下は?まあ色々買っとくか。
確か、大きめのロング丈のスウェットがあったからなんとかなるかも知れない。
部屋の明かりは点いてる。
無事辿り着けたんだ。
「ただいま…。剣吾?」
バスルームに声を掛ける。
「ぉお」
良かった。眠りこけて無くてホッとした。
「あのね?ここに、下着とか剃刀とか、取り敢えず色々出しとくから、使えそうだったら使って?
タオルは棚の使ってくれていいから」
「あぁ、サンキュ…」
「剣吾?眠っちゃ駄目だよ?」
「…ああ」
「駄目だよ!」
「ああ、フ、解ってる。大丈夫だ」