抱き寄せて、キスをして《短編》
は……はあ。

「そりゃ、報酬が発生するでしょ」

「…………」

新太がニッコリ笑って私を見つめた。

「ほら、探偵事務所と同じだよ。
依頼人が探偵に報酬を払うのは当たり前だし」

そ……それはそうだけど。

「…………」

「…………」

お互いに見つめ合っていたけど、やがて新太がクスリと笑って私を引き寄せた。

「1つ聞きたいんだけど」

新太の裸の身体が、私をフワリと包み込む。

温かくて心地よくて、私は眼を閉じた。

「……なに?」
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