抱き寄せて、キスをして《短編》
「あんた、加奈ちゃんと付き合ってるんでしょ?!なのに、こんなのダメじゃん!」

「俺の事はどうでもいい」

はあっ!?

「どうでもよくないわ!加奈ちゃんと」

私の言葉を新太が遮った。

「三崎課長と付き合ってんの?」

「付き合ってないよ」

新太が意地悪そうに笑った。

「じゃあ、なに?俺に恋人が出来たから、三崎課長が、代役って訳?」

「はあっ!?」

新太が一歩ずつ私に近付く。

「愛とかないのに、一緒に飯食って、DVD観て、買い物行って、セックスすんの」

新太が再び私の二の腕を掴んだ。
< 49 / 108 >

この作品をシェア

pagetop