抱き寄せて、キスをして《短編》
第六章
気付いた気持ち
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
連日私は、死に物狂いで仕事に打ち込んだ。
ほかに、新太との事を忘れる術がなかった。
「アンナ先輩、私が代わりにやっときますから、今日はもう帰ってください」
「大丈夫だよ。ありがと」
私と加奈ちゃんの会話の最中に、三崎課長が口を挟んだ。
「寺田の言う通りだ。白石、お前はもう帰れ」
「でも」
たたみかけるように三崎課長が続けた。
「今お前が倒れたら、企画部全員に迷惑がかかるんだ。いいから、帰れ」
「はい……」
本当は帰りたくなかった。
帰っても、食べたくないし眠れない。
連日私は、死に物狂いで仕事に打ち込んだ。
ほかに、新太との事を忘れる術がなかった。
「アンナ先輩、私が代わりにやっときますから、今日はもう帰ってください」
「大丈夫だよ。ありがと」
私と加奈ちゃんの会話の最中に、三崎課長が口を挟んだ。
「寺田の言う通りだ。白石、お前はもう帰れ」
「でも」
たたみかけるように三崎課長が続けた。
「今お前が倒れたら、企画部全員に迷惑がかかるんだ。いいから、帰れ」
「はい……」
本当は帰りたくなかった。
帰っても、食べたくないし眠れない。