抱き寄せて、キスをして《短編》
第七章
抱き寄せて、キスをして
思いきり走った。
早く新太に会いたくて、私は息が上がるほど走った。
新太のマンションの前から、彼に電話をした。
指が震える。
『はい』
泣かないでおこうと思っていたのに、新太の柔らかな声を聞くと我慢できなかった。
「新太……っ」
新太は数秒の後、静かに言った。
『どこ?』
「新太のマンション」
『上がってきて。カギ開いてるから』
「うん」
怖かった。
早く新太に会いたくて、私は息が上がるほど走った。
新太のマンションの前から、彼に電話をした。
指が震える。
『はい』
泣かないでおこうと思っていたのに、新太の柔らかな声を聞くと我慢できなかった。
「新太……っ」
新太は数秒の後、静かに言った。
『どこ?』
「新太のマンション」
『上がってきて。カギ開いてるから』
「うん」
怖かった。