抱き寄せて、キスをして《短編》
再び拒絶されるかもしれない。
でも、この気持ちに気付いたからには、ちゃんと伝えたい。
伝えて、それでダメならもう、潔くあきらめよう。
エレベーターから出て、新太の部屋の方向へと曲がると、玄関ドアに彼がもたれて立っていた。
思わず足が止まる。
私を見た新太は、相変わらず眼鏡をしておらず、涼やかな瞳がよく分かった。
私は一歩、また一歩と新太に近付いた。
「新太」
「入って」
通された部屋は、以前と代わりなかった。
前までは、ドカドカと我が物顔で新太より先に入り、ソファでくつろいでいた。
でも、この気持ちに気付いたからには、ちゃんと伝えたい。
伝えて、それでダメならもう、潔くあきらめよう。
エレベーターから出て、新太の部屋の方向へと曲がると、玄関ドアに彼がもたれて立っていた。
思わず足が止まる。
私を見た新太は、相変わらず眼鏡をしておらず、涼やかな瞳がよく分かった。
私は一歩、また一歩と新太に近付いた。
「新太」
「入って」
通された部屋は、以前と代わりなかった。
前までは、ドカドカと我が物顔で新太より先に入り、ソファでくつろいでいた。