抱き寄せて、キスをして《短編》
……怖い。この女は、怖い。

私は、張り付いたように加奈ちゃんを見つめた。

「でも、私も実はヒヤヒヤでした。だって、イケメンの三崎課長がこの時期にアンナ先輩にアクションするなんて、思ってなかったし、アンナ先輩は本当に鈍いし。
このまま、アンナ先輩が三崎課長と付き合うなんて事になったら、成功報酬もらえなくなるし」

……へっ!?成功報酬?

「加奈」

「あ」

「は?」

加奈ちゃんはギクリとし、新太はシラーッと私から眼をそらせた。

私はビールを一口飲んでから、新太と加奈ちゃんを代わる代わる見た。

「成功報酬って、なに?」
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