失い続けて見つけたモノ
ある日智也が初めて
「一緒に帰ろう」
と言ってきた
私は別に深く考えず
「解った」
と返事をした
そして昌也と詩音と侑に先に帰ってと伝えて、智也を待った
「ゴメン待った?」
一生懸命走ったらしく
ワイシャツが汗ばんでいた
「ううん、帰ろう?先生五月蝿いから」
私は何も意識していなかった
きっとここにいるのが侑だったら…
「海ちゃん?」
不思議そうに智也が顔を近づけた
近っ…
「あっゴメンぼーっとしちゃってた」
私は少し驚いたけど気にせず帰り道を歩いた