イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「無料で貸し出しが出来る所で借りてきた。
これがあれば、移動しやすくなるだろ」

車椅子をセットしながら言う先生だった。

確かに…これがあれば
移動しやすいけどいいのだろうか?

借りても……。

「で、でも……軽い捻挫ですし」

「俺は、待たされるのが嫌いだ。
さっさと乗れ。乗らんと帰るぞ!」

ギロッと睨まれてしまう。

「は、はい。」

慌てて車椅子に座った。

は、初めて……座ってしまった。
意外と座り心地は、いいかもしれない。

すると睦月君が抱っこをねだってきた。

えっ?抱っこ……。

「そうね。抱っこね」

睦月君をお膝に乗せてあげる。

「くっ…2人分だと重いな。よし。行くぞ!」

そう言いながら先生は、車椅子を押してくれた。
何だか乗り物に乗っている気分だわ。

押して移動をしていると私は、

「そういえばカバンは、どうしたのですか?」

そう尋ねてみた。

「あっ?あぁ、近くにロッカーがあったから
置いてきた。
それより何処を回るんだ?」

「えっ?えっと…じゃあ、遊園地の方に」

せっかくなら楽しみたい。
遊園地の方に向かってもらうと
ペンギン・メリーゴーランドがあった。

睦月君は、それに興味深そうに見ていた。

「睦月君。これに乗りたいの?」

そう尋ねるとコクリと頷いた。
やはり興味があるみたいだ。

「先生。あのメリーゴーランドに乗りたいです」

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