イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「あ?メリーゴーランド?あれか…」
メリーゴーランドを見る先生。
そして連れて行ってくれた。
うわぁ~こういう乗り物久しぶりだわ。
ペンギン・メリーゴーランドは、
馬の代わりにペンギンになっていて可愛らしい。
私も乗りたいと思い参加する。
「睦月君。どっちに乗りたい……?」
すると睦月君が指を指しながら
「……一緒に乗りたい」と呟いてきた。
え?一緒に乗ってくれるの?
「あ、じゃあ一緒に……」
睦月君と乗ることにする。
こうやって見るとまるで
「フフッ……これだと睦月君。
王子様みたいね」
小さな王子様。
しかもペンギンの乗り物だし
可笑しくて可愛らしい。
アナウンスが流れ動き出した。
メロディーが流れながら
ペンギンが上がったり下がったり
ゆっくりとぐるぐると動き出した。
見ると先生は、こちらを見ていた。
「あ、先生だ。睦月君。パパだよ!」
一緒に手を振ってみる。
すると先生は、デジカメを向けていた。
あ、撮られてる!?
止まると車椅子の所に戻った。
先生は、ジッとデジカメを見ながら確認していた。
「先生……撮っていたのですね?」
変な顔で写っていないといいのだけど…。
だが、無言のままだ。
「先生……?」
「こうやって見ると…親子みたいだな。
お前ら」
ボソッと呟くように言ってきた。
その表情は、何だか切なそうに笑っていた。
私は、ハッとする。
「あ、あの……すみません」