イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「お前な。風呂で寝る奴があるか!?」
お風呂……?
ハッ!!
そういえば、お風呂に入っている途中だった。
パッと見ると湯船の中だった。
しかも裸。
「キャアッ!!?」
慌てて胸元を隠した。
嘘……先生に裸を見られてしまった!?
「ったく、ちっとも出て来ないし…お前の事だから
また足を滑らして転んで
気絶しているのかと思ったじゃねーか!?
無駄な心配させんな」
そう言い怒られてしまった。
しかし、目線を合わせずに逸らしていた。
頬も赤い…。
「す、すみません……」
「早く風呂から出ろ。
俺だって入りたいんだ」
そう言いながら浴室から出て行ってしまった。
今……確かに顔が赤かったわよね?
裸を見られるのは、かなり恥ずかしい事だが
もしかして少しは、
女として意識してくれたのだろうか?
意識をしてくれたのなら
こんな嬉しい事はない。
自分も負けないぐらいに
赤くなっているのだろうか。
何とか着替えてお風呂から出た。
「あの……先ほどは、すみませんでした。
お風呂お先にありがとうございます」
「あぁ……なら俺も入る」
リビングに居た先生は、
顔を合わせてくれないまま出て行った。
何だかちょっと
お互いに気まずくなってしまった。