イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「あ、あの…その写真
私にも下さい!!」

思わずそう叫んだ。
欲しい……せっかく先生が撮ってくれた写真。

すると先生は、ピタッと止まり
後ろを向いた状態で

「プリントしておいてやる」

それだけ言うと出て行ってしまった。

先生……。

私は、黙ったまま立ち尽くしていた。
胸がギュッと締め付けられるような思いだった。

結局。気まずいままなのか先生は、
リビングに戻って来ない。

翌日になってしまった。

目を覚ますと相変わらず睦月君が
布団の上に乗っかり起こしてくれた。

着替えるとリビングの方に行こうと
するのだが……入りにくい。

気まずい……とても裸を見られた事といい
デジカメの事といい。

どう顔を合わせたらいいのだろうか?

なかなか行かない私に睦月君が
「……どうしたの?」と尋ねてきた。

「あ、ううん。何でもないわよ。
さぁ、中に入ろうね」

慌てて誤魔化すように中に入った。

すると先生が私達に気づいた。

「起きたか。さっさと席に着け」

いつもと変わらない事を言ってきた。

あれ……?

「あ、はい。おはようございます」

私は、慌てて席に着こうとする。
ひょこひょこと足を引きずりながら歩いていると

「足は、どうだ?まだ痛むか?」

そう聞いてきた。

えっ?

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