イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「睦月君も見たい……?」
そう尋ねると睦月君は、コクリと頷いた。
渡すと一生懸命その写真を見つめていた。
すると先生が
「写真を見てるのは、いいがさっさと食べろ。
片付かないだろーが!!」
コーヒーと牛乳が入ったコップを持ちながら
怒ってきた。
「あ、すみません。睦月君。
写真は、後でゆっくり見せてあげるね」
そう言うとコクリと頷き写真を渡してくれた。
ホッと胸を撫で下ろし昼食を食べる事にした。
朝食を食べ終わると会社にそのように連絡する。
「それでは、失礼します」
電話を切るとふぅ…とため息を吐いた。
これで、よし。
「電話終わったのか?」
先生は片付けを終わらせ手を拭きながら言ってきた。
「は、はい。心配お掛けしました」
「礼はいらん。それより
そこのソファーで座っていろ。
下手に動かれて怪我をされたら意味がないからな」
眉を寄せながら言われる。
うっ……確かに怪我は、しやすいけど……。
「ですか……あ、洗濯物でも……」
そう言おうとしたらギロッと睨まれた。
ビクッと肩を震わせた。
仕方がなく大人しくソファーに座る。
睦月君は、ずっと写真に夢中だ。
「睦月君は、どの写真がお気に入りなの?」
こんなに夢中になってるのなら
好きな写真とかあるのだろうか?
すると1枚の写真を見せてきた。
その写真は、私と睦月君が乗った
ペンギン・メリーゴーランドだった。
あ、私も……!?
私も写真の中でもそれが気に入っていた。
先生に親子みたいと言われたから……。