イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

えっ?私が家族!?

睦月君にとったら私は、
家族の一員だと認めてくれてるの?

何だか胸の中が温かくなった。

睦月君は、貼り付け終わると納得したように頷き
アルバムを引きずったまま私の所に来る。

そして、私のお膝に座ると
アルバムをめくってきた。

「睦月君……?」

「これ……幼稚園の入学式」

アルバムに貼ってある写真を指を指しながら言う。

見てみると確かに入学式に
今より小さい睦月君が写っていた。

「あ、本当ね」

今よりも幼く……とても可愛らしい。

隣の写真には、スーツ姿の先生が
一緒に写っていた。

先生のスーツ姿は、ビシッとして
凄くカッコイイけど…ホストっぽく見える。

「これは、幼稚園で…動物園に行ったやつ」

違う写真を指を指して教えてくれる。

「そうなんだ~動物園に行ったんだ」

「これは…」

睦月君がそう言いかけた時、ハッとする。

もしかしてアルバムの内容を1枚ずつ
説明してくれてる!?

だとしたら、これは……まずいわ。

たくさんある写真を1枚ずつ説明していたら
睦月君が熱を出ちゃうじゃない!!

会話がストレスになる睦月君にとったら
説明なんてもってのほかだ。

もしかして、私のために?

「だ、大体分かったから
もう説明してくれなくて大丈夫よ。
ありがとう……睦月君。
分かりやすく説明してくれて」

ニコッと笑顔で言うと止めた。

睦月君は、コクリと頷くと
黙ってアルバムを見ていた。

私は、ホッと胸を撫で下ろした。

きっと不安そうになっている私に
気を遣ってくれたのだろう。

優しいから……。

しばらく一緒にアルバムを見ていたら
パラッと1枚の写真が落ちた。

「あら、写真が……」

ペラッとその写真を取り見る。
写っていた写真は…。

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