イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
ママの命日……?
「ママの命日ってどういうこと?」
尋ねてみるが睦月君は、
それ以上語ろうとしなかった。
先生の誕生日と奥さんが亡くなった事と
何か共通点でもあるのだろうか?
直接先生に尋ねてみたいが
奥さんの事だと何か言いにくいし…。
それに対して知ってる人に
聞いた方がいいのだろうか?
だとしたら…。
『えっ?藤崎の誕生日?』
私は、こっそり浜野さんに電話した。
先日名刺を貰ったので連絡先を知っていた。
「はい。睦月君が言っていまして。
先生に直接聞くのもどうかと思いまして
電話したんです。浜野さんなら
何か知っているのではないかと思いまして…」
『あぁ……まぁね』
浜野さんは、渋るように言った。
やはり何か言いにくい真実があるのだろうか。
心臓がドキドキと高鳴ってうるさい。
でも、知りたいと思った。
睦月君は、私の隣でソファーに座り
私をジッと見ていた。
『実はさ……沙織ちゃんが亡くなった日って丁度
藤崎の誕生日だったんだよ!』
やっぱり……。
『涼花ちゃんって沙織ちゃんとの話
どこまで知っているの?』
「あ、なれそめなら先生から聞きました。
奥様……心臓が弱かったんですよね?たしか…」
『なんだ…アイツ大体話しているじゃん。
なら話が早いな。
あぁ死因は、心臓が原因だけど
元々身体が弱い方で出産もあって
随分と無理していたみたいだ。
なのに藤崎の誕生日にと育児の合間に
ケーキやご馳走を用意して待っていた』