イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
私は、睦月君の所に駆け寄り
ギュッと抱き締めた。
良かった…本当に良かった。
「ごめんね。
睦月君…私が手を離したばかりに」
涙が溢れてくる。
「ったく、面倒な手間を取らせるな。
無事で良かったが…」
先生も呆れながらも
安心した表情をしていた。
そうしたら迷子センターの女性スタッフの人が
「無事にパパとママが迎えに来てくれて
良かったわね。睦月君」
ニコニコしながら睦月君に話しかけてきた。
ママ!?
ママに呼ばれて驚いてしまう。
そうか……他の人から見れば、
母親に見えるわよね。
実際。母親ではないけど
そう言われると気恥ずかしいが嬉しかった。
先生は、気にする事なく
「息子が大変ご迷惑をかけて
すみませんでした」
頭を下げて謝っていた。
すると
「いえいえ。大人しく待っていましたよ。
むしろあまりの冷静さに
こちらが驚くほどでした」
そう言われる。
えっ?どういう意味だろうか?
「大体のお子さんは、こちらに来る時点で
大泣きをして名前を聞くのも大変なのですが
睦月君は、非常に冷静できちんと
名前を言えた上に泣く事もありませんでした。
連れてきた販売の方も迷子になったから
ここに案内してほしいと自分から
伝えてきたそうですよ」
えっ!?自分から…。