イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
素っ気ない。まぁ、仕方がないけど…。
でも喜ばすのは、これからよ!
「あのですね。早速なんですが、誕生…」
「おい。どうでもいいが、さっさと食うぞ。
せっかくの料理が目の前にあるのに…腹減った」
話を被せるように言ってくる先生。
「あ、はい。」
うぅ……せっかくの段取りが
台無しになってしまった。
本当は、誕生日プレゼントを
渡すはずだったのだけど
まぁ、でもまだチャンスがあるわ。
これから楽しんでプレゼントを渡せばいいだけ
そう思い気を取り直して料理を食べた。
コースだが、誕生日用の特別メニューに
なっており。
どれもとても豪勢で美味しかった。
「美味しいですねぇ~」
「そうだな。」
先生は、そう言いながら
睦月君が食べやすいように
肉料理を切ってあげていた。
「…………。」
イマイチ盛り上がらない。
よくよく考えたら先生とは
食事中もだがあまり会話しない。
無口でクールな性格だし。
睦月君も会話をする訳ではないから
どうしても早く食べて終わってしまう。
何とか楽しい雰囲気にしなくては……。
「あのですね。この前、会社で
書類をコピーしたんですよ。
そうしたらボタンを間違えて
押しちゃったみたいで
コピー用紙が大量に出ちゃって
大変だったんですよ~なんせ10枚を
100枚になっていてアハハッ……ハ…」
「……お前……何やってんだ?」
笑いを取るために自分のミスを自白した。
だが、白い目で見られてしまった。
むしろ呆れられてしまう。
笑って下さい。
凄く恥ずかしいのですから……。
「……アハハッ……」
睦月君が気を遣ってくれて笑ってくれる。
ただし無表情で棒読みだけど
ありがとう……余計に悲しいけどね。
睦月君……。
そしてお肉料理が食べ終わろうとした時に
パッとお店の電気が消えた。
えっ!?