イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
驚いていると何処からもなく
ハッピーソングが流れる。
えっ……?
私……こんな演出は、頼んでないけど?
するとスタッフの人がホールのケーキを
持って来てくれた。
ロウソクに火を照らして
ショートケーキにたくさんの苺が乗っている。
真ん中にプレートに
『HAPPY BIRTHDAY真夜』と書かれていた。
ケーキとプレートがあの奥さんと
写っていたのに似ていたのは、気のせいかしら?
「これは……!?」
驚いた表情をする先生。
その表情を見て…やっぱりと確信する。
するとスタッフの人が
「これは、浜野様と
海津様からのお祝いの品です」
そう言った。
浜野さんと海津様から……!?
「アイツら…」
先生は、眉を寄せて険しい表情する。
あぁ、せっかくのパーティーに怒らしちゃう。
何とかしなくちゃあ…と慌てていたら
スタッフの人が
「浜野様からメッセージを頂戴しております。
“これをけじめにしろ。
2人の気持ちを大切にしてやれ”とのことです」
そう言って伝えてくれた。
浜野さん…。
浜野さんもまた、先生に前を向いてほしいのだ。
その気持ちは、私と同じ。
「……先生……」
名を呼ぶと先生は、切ない表情をしていた。
ズキッと胸が痛んだ。
「……アイツに連絡して事情を聞いた」
「えっ……?」