イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

そうしたらスタッフの人が

「あの…ロウソクの方を早く消して頂かないと
消えてしまうのですが…」

申し訳なさそうに言ってきた。

あっ…すっかり忘れていたわ!?

「先生早く…ロウソクを消して下さい」

「嫌だ。恥ずかしい…睦月お前が消してやれ」

そう言いながら睦月にケーキを持っていく。
するとふぅーと一息で消してしまう睦月君。

うーん。それでいいのだろうか?

先生は、お構いなしに
スタッフにケーキを切ってくれと頼んでいた。

先生のさっきの言葉は、
どういう意味なのだろうか?
けじめ…ついたのだろうか?

失敗ばかりの誕生日パーティーで

ケーキが切って運ばれてきた。
私の分も……。

「俺は、甘いの嫌いだから睦月。
俺の分も食ってもいいぞ」

そう言いケーキをあげてしまった。

「あ、せめて苺ぐらい食べて下さいよ!?
せっかくのケーキなんですから」

「はぁっ?ったく……仕方がねぇーな」

そう言うと苺を摘まみ一口パクりと食べる先生。

「苺は、旨い。もういらん」

さっさと睦月君にあげてしまう。
私は、それを見てクスクスと笑ってしまった。

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