イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「そうなの?睦月君…」
睦月君の方を見て尋ねるとコクリと頷いてきた。
なんて…冷静な。
確かに泣いたり、騒ぐとか想像が出来ないけど
睦月君を眺めながら思っていると
先生の方に行き抱っこをねだっていた。
ひょいと抱き上げる先生。すると
「……泣くな。睦月」
そう言ってきた。
えっ……?
睦月を見るとポロポロと涙を流していた。
あ、泣いている!?
やはり迷子になって寂しかったのね。
そう思っていたら睦月君は、
「……お腹空いた…」と呟いた。
えっ?そっち!?
「ったく、相変わらずお腹が空き過ぎると
泣き出すな…お前は」
先生は、呆れつつ背中をポンポンと
叩きながらあやしていた。
お腹空き過ぎると泣き出すの!?
「そうなんですか?」
「あぁ限界は19時。いつもは、
7時前に食べさせるのだが…仕方がないな。
丁度いいからこれから飯にするか」
「はい。」
私は、慌てて返事する。
そういえば、いつも19時までに
夕食を済ませているわ。
時計を見るとすでに19時過ぎていた。
なるほど、だから先生慌てたのね!?
しかし、お腹が空き過ぎると
泣き出すなんて…意外だわ。
分からないものね。
そう思いながらも迷子センターを後にした。