イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「あれ?このまま縫って行ってもいいのよね?
えっと…痛っ!!」
誤って自分の指を刺してしまった。
痛い……。
これで何度目だろうか?
指を舐めていると睦月君がこちらに寄ってきた。
「あ、待った!!
ダメよ……今針を使ってるから」
慌てて止めた。
針とまち針を使ってるから踏んだり
触ったりしたら大変だ。
睦月君は、きょとんと首を傾げるが
それ以上近づかないでいてくれた。
すると先生リビングに入ってきた。
「どうだ?形になっているか?」
「先生…だ、大丈夫です。
上手く縫えています!」
慌てて左手を隠した。
しかし、すぐに気づかれ左手を掴まえられる。
「どこが大丈夫なんだ?あっ?
ったく、怪我しているじゃねぇーかよ。
自分の指まで縫う気か?」
呆れたようにため息を吐かれた。
うぅ……バレちゃった。
せっかく上手く出来たのを
見せるはずだったのに。
すると先生は、
棚から救急箱を持ってきてくれた。
「ったく、血まで出てるじゃねーか」
そう言うと私の指をペロッと舐めてきた。
「ひゃっ!?せ、先生…」
頬が熱くなってしまう。
い、今……舐めた!?
私の指を舐めてきた。
「指を舐めたぐらいで
何真っ赤になってんだよ?」
さらに先生は、呆れたように言ってきた。
「だ、だって~急に舐めるから」
「ったく、おでこにkissした時も
そうだったが、あれぐらいで喜んだり
騒いだりうるさい奴だな。
こんなの驚くほどでもないだろーが?」