イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「すみません。下手で……」
こんな衣装だと皆に笑われちゃうのかしら?
しゅんと落ち込んでいると
「何で落ち込む必要がある?
別に悪いと言っている訳ではない」
そう言ってくる先生。
そうなんだけど……。
「あんまり上手くないのを睦月君に着せても
いいのかなって……。
きっと皆さんの衣装は、自信作だと思いますし」
先生にまぁまぁだと言われちゃったし
すると私の頭をポンポンと撫でてきた。
えっ……?
上を向くと先生が
「こういうのは、気持ちの問題だろーが。
一生懸命作った衣装を笑う奴なんていない。
居たら俺が許せねぇーし。だから気にするな」
それだけ言うとリビングから
出て行ってしまった。
「………先生………」
撫でられた頭を触れる。
何だか胸がキュンとなって温かい。
頑張らなくては……。
何だか前よりやる気が出てしまう。
絶対に衣装を完成させなくちゃあ!!
そして……。
「で、出来た~!!」
やる気が出た私は、徹夜して見事
衣装を完成させた。
うんうん。どう見ても馬の衣装だ。
良かった……。
そうしたら力が抜けてそのまま眠ってしまった。
夢では、睦月君が私の作った衣装を着て
劇をしてくれた。