イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「………。」
あれ?夢を見ているはずなのに
何だか先生の匂いがした。
温かく安心するような…そんな匂い。
しばらくして目を覚ますと
自室のベッドの上だった。
あれ………?
何でベッドに居るのかしら?
たしか、衣装を作って…それで
慌てて起き上がった。
そうよ!?
そのまま寝ちゃったのよ…私。
急いで時計を見ると12時になろうとしていた。
嘘ー遅刻じゃない!!?
慌ててベッドから出ると着替えた。
ど、どうしよう。
編集長に怒られちゃう。
電話もしなくては……。
ドアを開けると丁度先生も部屋から出てきた。
「お、やっと起きたか?」
先生………!?
「あの、すみませんでした。
こんな時間まで寝てしまいまして」
必死に頭を下げた。
怒られちゃう…。
すると呆れたように
「ったく一生懸命とは、言ったが
夜更かししろとは、言ってねぇーぞ!?
部屋まで運ぶ俺の身にもなれよ」
そう言いながらデコピンされる。
うっ……痛い。
「す、すみません……」
って事は、先生が私を運んでくれたの?
えぇっ!?
「まぁいいが。それより今から昼飯にするから
お前も食え」
「あの気持ちは、嬉しいのですが…仕事の方が…」
お昼を食べている場合ではない。
遅刻しちゃうよ。