イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「その心配ならいらん。
用事を言いつけたから今日は、
会社に行けないと連絡しておいた」

先生は、そう言ってくれた。

えっ!?

「そうなんですか?
ありがとうございます」

深々と頭を下げた。

先生が私の代わりに連絡してもらうなんて
いいのだろうか?

編集長もさぞかし驚いた事だろう。
驚いた編集長が目に浮かぶようだ。

ハッと気づき前を向くと先生は、
居なかった。

置いてかれた!?

慌てて私もリビングの方に行く。

中に入ると先生は、
キッチンで冷蔵庫を開けていた。

「昼飯は、チャーハンでいいか?」

「は、はい。」

申し訳ないと思いつつ返事した。

先生は、気にする事なく手早く
チャーハンとワンタンスープを作ってくれる。

出来上がったチャーハンを食べると
とても美味しかった。

「あの…凄く美味しいです」

「そうか」

先生は、それだけ返事をすると
黙って食べ始めた。

き、気まずい…。

よく考えたら
私と先生の2人きりじゃない!?

睦月君は、今頃幼稚園で
お弁当を食べているはず

ど、どうしよう…何を話したらいいの?

オロオロしてると

「そういえば、衣装悪かったな。
睦月に見せたら喜んでいたぞ!」

そう言ってくれた。

睦月君が!?

「そうなんですか?
良かったか…気に入ってくれたんだ」

ホッと胸を撫で下ろした。

どんな風に喜んでくれたのだろうか?
喜ぶ姿を見て見たかったわ。

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