イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「よほど嬉しかったのかアイツ
それを着て幼稚園に行こうとしやがった。
慌わてて止めたが…」
思い出したのか先生は、ため息を吐いた。
あの衣装を着て幼稚園に行こうとした!?
それは……また。
着ていこうとする睦月君を想像してしまう。
か、可愛いけど……ちょっと可笑しいかも
「え~それは、大変でしたね。
でも、ちょっと見てみたかったかも……」
クスクスと笑ってしまった。
すると先生か
「……やっぱり。
お前は、笑った方がいいな…」
ボソッとそんな事を言ってきた。
えっ……?今なんて?
「先生…今なんて…?」
もう一度聞き返そうとすると勢いよく
食べて席を立ってしまう。
シンクに置いてあるたらいに
お皿とコップを浸けると
「食べたら皿は、浸けておけ。
後でまとめて洗うから。俺は、仕事に戻る」
それだけ言うとさっさと
リビングから出て行ってしまった。
何だか頬が熱くなってしまう。
今の言葉は、何だったのだろうか?
先生らしくなかったような…?
「先生………」
ポツンと取り残されてしまった。
結局。そのままだと悪いので食器を洗い
自宅でもやれる書類作りをする。
時間が過ぎていく。
そろそろ睦月君を迎えに行かなくては……。
そうしたら先生がリビングに入ってきた。
「おい。今日は、保護者会があるから俺も行く。
時間がかかるから睦月がお腹空いたと
言ってきたら先に帰れ」
「は、はい。分かりました」
いつもと変わらない先生に戻っていた。