イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

1階にあるレストランに入る事にした。

案内された席に着くとメニューを見る。

私と先生は、向かい合って座り
睦月君は、先生の隣に。

いろんなメニューがあり
どれにするか迷ってしまった。

ハンバーグも食べたいけど
このオムライスグラタンってのも
興味があるわね。うーん。

「睦月は、どれにするんだ?」

先生が睦月君に尋ねると
メニューの写真を指差した。

私は、チラッと見てみると

特大ハンバーグセットだった。

と、特大!?

それは、大人の男性が食べるような
ジャンボサイズだった。

さすがに4歳の睦月君じゃあ…?

いや、パンケーキ食べた後に
普通に夕食のハンバーグを完食した子だ。

もしかしていけるかも知れない。

「特大か…ったく、相変わらず大食いだな。
お前は…そういう所は、沙織にそっくりだ」

先生は、メニューを見ながら
呆れたように呟いた。

私は、その名前を聞いた時
ズキッと胸が痛んだ。

沙織さんは、先生の奥さんの名だ。
そして睦月君の母親。

そろそろ慣れないといけないのに。

奥さんの名前が出るたびに
胸を痛み出していたら
この先やっていけない。私は、私。

先生に振り向いてもらうためには、
これぐらい平気にならないと

「おい。涼花!?」

ハッ!!

「は、はい。
な、何でありましょうか!?」

ハッと我に返り慌てた。

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