イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「えぇ、幼稚園に英会話を取り入れろとか
今回なんて幼稚園の宣伝目的も兼ねて
一般参加もOKだったのに
関係者以外入れるなと文句を言ったらしいわよ」

「まぁそれは、困りますね!?」

そうなれば私は、入れなくなってしまう。

「それは、奥様が説得してくれたみたいだけど
そのせいで皆逆らえなくて。
奥様が可哀想だわ」

確かにそれだと奥さんが大変そうだ。

そんな人も居るものなのね?

すると拓馬君が

「母ちゃん早く帰ろうぜ~お腹空いた~」

そう言ってスカートを引っ張っていた。

「はいはい。じゃあ、また明日。失礼します」

ペコッと頭を下げると
拓馬君を連れて行ってしまった。
私も軽く頭を下げて見送った。

「ったく、女ってそういう話好きだよな。
くだらねぇーな。どんな奴でも興味ねぇ」

先生は、呆れたようにため息を吐いた。

「ですが、もし関係者以外
立ち入り禁止とかされたら大変でしたよ?
私、来れなくなる所でした」

良かった…奥さんが止めてくれて

「……ふん。」

それだけ言うと黙って行ってしまった。

あ、行っちゃう!?

慌てて先生を追いかけた。

次の日。
私は、また睦月君を迎えに行く。

早めに行ったせいか丁度
劇の練習をしている真っ最中だった。

あ、練習してる。可愛い…。

王子様が白雪姫に会いに来て
結ばれるシーンだった。

あら、白雪姫の女の子がとても可愛らしい。

雰囲気が竜ヶ崎さんの奥さんに
似ているからもしかして…?

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