イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
女の子は、続けて
「他の子に人気あるみたいだけど
茉莉華は、睦月君がいいとは思わないですわ。
茉莉華は、落ちぶれる人嫌いだもん」
そうバッサリと言い放つ。
茉莉華って…じゃあ
やっぱり竜ヶ崎さんのお子さん!?
いや、しかし……落ちぶれる人が嫌いって
幼稚園児が言う台詞ではない。
って事は、これも父親に言わせられてるの?
唖然としていると拓馬君が
「おい、茉莉華。
お前…睦月に失礼じゃね?」
そう言い返してきた。
「どうしてですの?」
「睦月は、本番で歌うし。
大体落ちぶれる奴が嫌いって
勝手に決めつけるなよ」
「えっ?本当の事でしょ?
パパ言ってましたわ。
茉莉華。悪くないし」
平然と言う茉莉華ちゃんを見て驚いた。
これは、止めた方がいいのよね…?
しかし本人は、悪気がある訳ではないみたいだし
どうやって注意をしたらいいのだろうか。
「茉莉華……お前なぁ…」
すると睦月君は、何も無かったかのように
帽子を被ると2人の間を通り過ぎて私の所に来た。
「お腹空いた…」と言いながら
えっ?
完全にスルーしている睦月君。
「えっと……そうね。
帰ったらおやつにしようか」