イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「おい、睦月。無視するなよ!?」
拓馬君が呆れながらツッコんだ。
そりゃあ、ツッコむよね?
睦月君は、拓馬君を見ると
「拓馬。バイバイ」と小さく手を振った。
それを見た彼は、ハァッ……とため息を吐き
「はいはい。じゃあな。睦月」
呆れつつも返事を返してくれた。
さすが親友同士なだけあって
お互い分かり合っているわね。
感心して見ていると茉莉華ちゃんが怒り出した。
「ちょっと睦月君。
茉莉華を無視しないで下さい!?
茉莉華の言っていた事ちゃんと聞いてましたの?」
興奮気味に言ってくる。
あぁ、怒らしちゃった!?
睦月君は、茉莉華ちゃんの方をジッと見る。
そして
「………で?言いたいのは、それだけ?」
「……そうですわ」
「…そう。じゃあ。
さようなら。茉莉華ちゃん」
睦月君は、サラリとそう言うと
さっさと歩いて行ってしまう。
えぇっ!?
「ちょっと待って。睦月君!!」
慌てて追いかける私。
すると茉莉華ちゃんは、泣き出してしまった。
「うわ~ん。
睦月君が……茉莉華に意地悪する~」
そう言いながら
えぇっー!!?
「あの違うから!?茉莉華ちゃん……」
私は、どうしたらいいのか
分からず戸惑ってしまう。