イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
子猫と私。
「まさか先生が
S大出身だとは、驚きました」
移動しながら先生にそう伝えた。
「伝えてなかったか?まぁな。
結局。辞めちまったから偉そうな事は言えないが
アイツを黙らせるには十分だろ」
平然とした表情で言う先生。
まぁ確かに……。
プライドの高そうな茉莉華ちゃんのパパには、
馬鹿にしていた人が
自分の大学より上だと知りプライドが
傷ついただろう。
睦月君の最後の言葉も強烈だったし。
そう思っていたらある事に気づいた。
あれ?
「あの……奥さんもS大出身だったんですか?」
確か辞めたと言った時に
奥さんの名前が出ていたはず
「あぁ、アイツと知り合ったのは、
大学の中だ。
まぁ学科は、違ったけどな」
それを聞いて私は、ショックを受けた。
奥さん…綺麗で上品だけではなく
凄く頭のいい方だったんだ…。
どうしよう……100%勝てる自信はない。
いや、そもそも争うと思う時点で
おこがましいのかも知れないけど……。
すると先生が睦月君に
「それよりも睦月。お前……どうしてあの時
“ガッカリしたのは、
おじちゃん”だと言ったんだ?」
そう質問してきた。
あ、それ私も気になっていた!?
ハッとして睦月君を見る。
すると睦月君は、重い口を開いて
「だって、人の失敗にいちいちケチをつける人が
まともな大人に見えないから。
おじちゃん……可哀想な人だなと思って」
バッサリと凄い事を言い放つ睦月君。
どう考えても4歳児の言う台詞ではない。
睦月君って…口数の少ない子だけど
たまに大人びた発言をする事があるわよね。
先生の影響かしら?