イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
可愛い~!!
メロメロになるぐらいに可愛かった。
すると睦月君は、子猫を抱き上げ立ち上がった。
えっ?
「睦月君。どうしたの?」
「……持って帰る」
そう言ってくる睦月君。
えぇっ!?
いくら可愛くても先生の許可無しで
持って帰る訳にはいかない。
下手したら怒られてしまう。
「睦月君。持って帰りたい気持ちは、
分かるけどパパにお願いしてからではないと
怒られちゃうよ?」
そう言い返した。
「…………。」
しかし、ギュッと
子猫を抱き締めたまま離そうとしない。
これだと帰れないし…。
困っているとまた、冷たい風が吹いてきた。
弱った。
このままだと私達まで風邪をひいちゃうわ。
すると睦月君が
「……寒い?」と子猫に聞いていた。
私も子猫を覗き込むと
小さな身体をガタガタと震わしていた。
怖いってより寒そうだ。
可哀想……こんな小さな身体で
毛布も無しに長時間置いてたら
凍死しちゃうわ。
それだと捨てた人と同じになってしまう。
でも、先生が許してくれるとは、思えないし…。
どうしよう!?
すると睦月君は、手提げカバンに
子猫を詰め込みだした。
ちょっと!?
「睦月君。ダメよ!そんな事したら」
慌てて止めようとした。