イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「もう…困った子猫ちゃんね。
ビショビショになっちゃったじゃない」
苦笑いしながらそう言った。すると
「あぁ、本当に困った奴だ。
その猫も…お前もな」
ギクッ!!
その声は……?
恐る恐る振り返ると先生が立っていた。
うっ…バレちゃった!?
「お前は、なかなか来ないし
睦月の様子がおかしいから変だと思ったら…何だ?
その猫は…」
「それは……深い訳が……」
「説明しろ!」
ギロッと睨み付けられる。
ま、間違いなく……怒っている。
結局、私の方から事情を説明する。
ソファーの下で正座をしながら
「と言う訳で……睦月君と一緒に拾いまして」
「……なるほどな。大体の事情は分かった。
だがその猫は、元にあった場所に戻して来い!」
しかし先生は、飼う事を反対してきた。
「な、何でですか!?
あんな寒い所に戻したら凍え死んじゃいますよ!!」
そんなのあまりにも可哀想だわ。
すると先生は、呆れたように
「ウチのマンションは、
ペット飼ってもいい物件だが
一体誰が面倒みるんだ?しかも生き物。
オモチャではないんだ。
飼うなら最期まで
責任を持たないとならねぇーんだぞ!?」
そう言ってくる。
「それなら私が責任を持ちます。
先生の手を煩わせないようにしますから
お願いします」
必死に頼み込んだ。