イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「ダメだ!」
「何でですか!?
睦月君も飼いたいと言っているのですよ?」
私は、負けじと反抗する。
「お前な……生き物を飼うのは、
生半可な気持ちでは飼えないんだぞ?
病気をするかも知れないし、早く死ぬ。
それでメソメソ泣かれても俺が迷惑だ。
いいからさっさと元の場所に戻して来い!」
先生は、そう言い放つ。
それは……そうかも知れないけど
動物の寿命が人より短いのは、分かっている。
死んでしまったら…たくさん泣いて落ち込むだろう。
だけど、それで分かる事もある。
「だけど、それで命の大切さが分かります!!
悲しくないと言ったら嘘になるけど
だから睦月君に飼う事を学ばせたい。
ご迷惑をかけないようにしますから」
それでも私は、必死にお願いした。
黙り込む先生。
すると睦月君は、ギュッと子猫に抱きつき
「……猫捨てるなら
僕も一緒に捨ててもいいよ」
そう言ってきた。
えっ!?
「睦月君!?」
驚いて聞き返すと睦月君は、
「……僕……飼いたい」
小声ながらもそう言ってきた。
睦月君……。
すると黙っていた先生が
「……勝手にしろ。
俺は、一切関わらないからな」
ソファーから立ち上がると出て行ってしまった。
怒らしちゃったけど……それって
飼ってもいいってことよね?
勝手にしろってことは…。