イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「ど、どうして先生がココに!?」

思わない先生の姿に動揺した。

先生は、呆れたように

「こうなるだろうと思っていた。
どうせ金額が足りなくなるか
払えたとしてもこれだけの量だ。
持って帰れなくなるだろうからな」

ギクッ!!

先生は、何でもお見通しだった。

確かに。これだけの量を持って帰るのは、
一苦労するだろう。

「あ、あの……ありがとうございます」

先生にお礼を言う。すると
黙ったまま大荷物を持って行ってしまう。

「あ、待って下さい」

慌てて残りの荷物を持ち
睦月君を連れて追いかけた。

車で来てくれたらしい。

荷物を後ろに詰め込むと
先生は、睦月君を後ろの
チャイルドシートに座らせた。
私も助手席に座ると車を走らせた。

チラッと運転をしている先生を見る。

黙ったまま何も言ってくれない。
どうしよう。

「あ、あの……ペット用品のお金。
後で払いますので…」

自分の勝手な都合で飼うのなら
払わないといけない。
すると

「……金ならいい」と言ってきた。

でも……。

「ニャー」

白雪は、突然鳴き出した。
見ると睦月君がカバンから白雪を出していた。

「睦月君。白雪を出しちゃったの!?」

慌てて言う。
車の中で出しちゃっていいのかしら?

「……白雪?」

先生が眉を寄せながら聞いてきた。

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