イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
睦月君はコクリと頷いた。
私と睦月君は、夢中で
白雪の世話をしていると
「おい。お前ら子猫の世話はいいが
さっさと夕飯を食べろ。
もう出来てるぞ!」
先生が注意してきた。
えっ?と振り向くと
すでに夕食の支度を済ましていた。
あっ、いけない。
「すみません。先生……」
世話に夢中になって支度を手伝うのを
すっかり忘れていた。
「ったく……」
何だか不機嫌そうな先生。
夕食を食べてる時もそんな感じだった。
白雪を飼う事を反対していた先生。
ってきり、もう陰ながら許してくれたと
思っていたけど……勘違いだったのだろうか?
疑問を思いながら食事する。
睦月君は、夕食が食べ終わると歯みがきをして
寝る準備する。
しかし、白雪と一緒に眠りたいらしく離さない。
仕方がないので先生は、
そのまま部屋に連れて行った。
眠る時は、いつも先生に絵本を読んでもらう。
私は、リビングの方でノートパソコンを開けて
資料を作っていた。
しばらくしてお茶を淹れるため
キッチンに行っていると先生が戻ってきた。
気になり見ると先生の手には、
白雪が抱きかかえていた。
そして寝床になっているケージに白雪を入れた。
「お前は、こっちだ」
そう言いながら優しく白雪を撫でてあげていた。
顔は、見えないけど……。
きっと優しい表情をしているに違いない。
やっぱり勘違いではなかった。
先生は、素直ではないだけで
すでに飼ってもいいと思っているはずだ。
嬉しくなる。
先生の顔が見たくなって
気づかれないように近づいた。