イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
コンロに火をつけていると睦月君が、
白雪を抱っこしながらこちらに来た。
「あ、危ないから向こうに行っててね」
そう言うと睦月君は、
「白雪……おしっこしちゃった」
えっ!?
慌てて振り返ると…どうやら
抱っこしている時にしたらしく
睦月君の服がベタベタになっていた。
「キャッ!?
睦月君の服が…着替えなくちゃあ!!」
慌てて火を消すと睦月君の所に駆け寄る。
部屋に連れて行き着替えさせた。
そして白雪を叱る。
「白雪。ダメじゃない。
おしっこは、トイレでしなくちゃあ…メッ!!」
「ニャー」
しゅんと小さな声で鳴いた。
怒られたので落ち込んでしまったみたいだ。
ちょっと強く叱り過ぎたかしら?
すると睦月君は、しゃがむと白雪の頭を撫でる。
「……ドンマイ」と励ましていた。
ドンマイか……フフッと思わず笑ってしまった。
濡れた服を洗濯機に入れるとリビングに戻る。
すでに先生は、朝食の準備を済ませ
弁当作りを始めていた。
あ、出遅れちゃった。
「すみません。結局任せてしまって…」
「別に構わん。それよりきちんとしつけておけ
服が小便臭くなる」
「……すみません」
私もしゅんと落ち込んでしまう。