イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
あぁ、張り切って起きたのに……。
結局何も出来ないままだった。
しゅんと落ち込みながら椅子に座ると睦月君が
「ドンマイ」と言ってくれた。
ある意味、失敗が白雪と同じなので
複雑な気分だった。
朝食が終わると睦月君は、幼稚園の支度する。
するのだが……。
「睦月君!?白雪は、お留守番だから
幼稚園に連れて行ったらダメよ!?」
慌てて止めた。
どうやら一緒に連れて行くつもりで
白雪を手提げカバンに押し込めていた。
睦月君は、きょとんと首を傾げた。
「あのね。幼稚園は、
ペットを連れて行ったらダメな場所なの。
白雪は、私が面倒を見るから
帰って来るまでバイバイしようね」
分かるように説明する。
「…………。」
しばらく黙り込むが納得したのか
コクリと頷いてくれた。
理解してくれたようだ。
すると先生が
「ほら、そろそろ幼稚園に行く時間だ。
涼花も早く行かないと遅刻するぞ!」
そう言ってきた。
あっ!?
そうだった。
私は、会社に行かないといけないのだった。
でも、白雪が……。
するとまた
カバンに白雪に入れようとする睦月君。
えぇっ!?
「だ、大丈夫よ。
何なら白雪は、会社に連れて……」
「アホな事を言ってるな。
そんなの出来る訳がねぇーだろ」
先生に鋭いツッコミを入れられてしまった。
……ですよね。