イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「シッ。白雪。
先生が起きちゃうから静かにね」
人差し指を立てながら白雪に言い聞かした。
白雪は、きょとんと首を傾げるが
すぐにゴロゴロと喉を鳴らしながら
先生にすり寄っていく。
甘えてる。
凄く可愛いけど……。
それだと先生が起きちゃうから!?
オロオロしながら見ていると先生が
「ん~白雪。くすぐったい」
モゾッと動きだす。
あ、起きちゃった!?
そして目をつぶったままだが
顔の近くに居る白雪の頭を撫でだす。
「ニャー」
撫でられるのが気持ちがいいのか、さらに
ゴロゴロと喉を鳴らしながら甘える白雪。
何とも貴重なツーショットだろう。
(しゃ、写真が撮りたい!!)
「えっと~携帯、携帯」
慌ててカバンからスマホを取り出し
カシャッと写メを撮った。
すると
「おい。何やってんだ?」
先生に気づかれてしまった。
ギクッ!!
「……起こしちゃいましたか?」
恐る恐る尋ねてみる。
「起こしたかの問題じゃねぇ。
お前、何勝手に写真を撮っているんだよ?」
ギロッと睨まれてしまった。
「す、すみません。
あまりにも素敵なツーショットだったので
つい出来心で」
申し訳なさそうに謝った。
「何が出来心だ。ったく、油断も隙もねぇ…」
頭をかきながら
そう言うと立ち上がってしまった。