イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
そして睦月君を迎えに行く。
帰り道。
睦月君は、早く帰ろうと手を引っ張っていた。
「はいはい。慌てなくても白雪は、
大人しく待ってるわよ」
そう言い聞かせながら早歩きで帰る。
すると1階のエレベーター近くで先生を見つけた。
あれ?何で先生が1階に?
しかも何かを探しているようだった。
「先生。ただいま戻りました」
慌てて先生の所に駆け寄る。
「お前らか……」
「どうかなさったのですか?」
いつもと様子が違い何だか
焦ってるように見えた。
「すまない。それが
俺が宅配便の相手をしていたら
白雪が隙間から
すり抜けて外に出てしまったんだ!」
そう言ってきた。
……えっ?
最初は、意味が分からなかったけど
すぐに状況を理解した。
「えぇっ!?白雪が……!?」
つまり脱走をしてしまったらしい。
そんな……一体何処に行っちゃったの!?
「大変。探さなくちゃあ……」
もし事故や迷子になったら大変だわ。
「俺らの居る階は、探したが見つからなかった。
多分エレベーターでおりてしまったのだろうけど」
先生がそう言った。
なら、外に出てしまった可能性が高いわね。
遠くに行っていないといいのだけど……。
うーん。
余計に危険が及ばない事を祈るばかりだ。