イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「沙織さんが、私を止めるために…!?」

「えぇ、そうよ。会えて嬉しいわ。
あなたには、これからも
睦月や真夜を支えてほしいもの」

その言葉にハッとする。

そうだ…私。
沙織さんの旦那さんを好きになってしまった。

睦月君の母親のように振る舞い
家族のように入り込んでいる。

「あの……すみません。私……」

必死に謝ろうとした。
しかし沙織さんは、自分の指を私の口に
当てて止められる。

そしてニコッと微笑まれた。

「謝らないで。
私は、それでいいと思っているの」

「えっ……?」

「睦月は、まだ幼いわ。
これからも母親が必要な時があるし
甘えさせてあげたい。
それに、真夜は……あの性格でしょ?
素直ではないし甘え下手なのよ。
でも、あなたを大切に想っているわ」

沙織さん……。

「あの人は、私の事を忘れられず
苦しんでいる。
まだ若いのに勿体無いわよね。
だって、その気になれば再婚だって
いくらでも出来るのに。
あなたとだって……フフッ…」

可笑しそうに笑う彼女。

私は、沙織さんの言葉に驚いた。

嫌ではないのだろうか?

だって、大好きな人が
他の女性に盗られるかも知れないのに……。

「嫌ではないのですか?
先生……旦那さんが他の人を盗られるの」

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